キャリアコンサルタントとして、相談で一番大切にしていることは、相談者との信頼関係づくりです。これは、上司と部下の関係にも通じるものだと思います。
信頼関係ができているかどうか。その答えは相談者の心にあるもので、ほんとうのことを知る機会はそう多くはありません。でも、それを感じられる場面にできるだけ多く出会えるよう、聴き方を磨くだけでなく、相談者の行動の障害になっているものの可能性に気づき、タイミングをみてことばにして伝えていくアンテナも磨いていきたいと思います。
相談者の多くは、キャリアコンサルタントのことを先生と呼ぶようなのですが、私は名字で呼んでもらうようにお伝えします。ことばだけと言えばそれまでですが、先生というと、どうしても上下関係を想像してしまいませんか?でも、そもそも、相談のなかみ、情報、最終的には答えをもっているのは相談者。
キャリアコンサルタントとしての私の役割は、事実や気持ちを引き出し、自分だけで考え悩んでいたときとは違う世界が”自然と”見えてくるように関わることです。そのために一番大切にしていることが信頼関係です。
これまで、相談者に言われてとても印象に残っていることのひとつに、「言われちゃった!」と笑顔で言われた場面があります。数回目のキャリアコンサルティングの終盤で、切り出した私からの「これまでの話、こういう風に聞こえます」ということばに対する反応でした。
相談者がずっと思っていたけど(わかっていたけど)自分ではことばに出せなかったこと、ことばに出すことを恐れていたことだったと思います。でも、信頼が築けていると感じたタイミングでお伝えしました。その場面をきっかけに、さらに信頼が深まり、そして相談者が一気に前進していきました。
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